『魔法使いの嫁』第22話

『魔法使いの嫁』第22話

目覚めると、チセとステラはカルタフィルス(ヨセフ)の実験室にいた。

チセの左腕を移植する前に、拒絶反応がないか確かめると言い出し、お互いの目を交換する。交換したチセの目から見た世界はキラキラしていると羨ましがるのだった。僕は君が嫌いだといい眠りに誘うカルタフィルス(ヨセフ)。

眠りの先にはチセの過去の記憶の世界が待っていた。まだ、家族皆が笑い楽しかった世界…

カルタフィルスに似た影が現れ、自分は切り離された欠片だと言い、いろんな物をくっつけて取り込んできたから、本当のカルタフィルスがどれなのか、また自分が何かもわからなくなっていると言う。さらに、決心がつくまでは自分に触れない方が良いとも…そして、記憶の続き…父は弟を連れ家を出て行き、再び戻ることはなかった。

母はチセと暮らしていくために懸命に働き続けたが、魔物に悩まされて仕事もうまく続かず心は病んでいく。そして…

一瞬頭を横切った言葉、あの子さえいなければ…我に返った母は、自分のした行動に耐えきれず自らを終わらせた。

しかし、チセにはそんな母と向き合う力が既に宿っていた。今までに出会った人や妖精のおかげで得た力。「ありがとう。あのとき手を離してくれて…」「あなたをおいて前に進むよ。」

「決心はついた?」生かし続ける者であり、彼のために与えられた呪いと祝福である影の言葉。君が生きたいと望むなら祝福になると言う影に、チセはその対価を問う。望みが叶えられるかどうかはわからない。でも、聞いて何とかしようと動くことはできる。「助けて…」彼らは何百何千年もそう叫び続けてきた…

チセの過去が描かれた回。家族4人幸せに暮らしていたが、父親にとって妻と娘チセの体質は気がかり。家族を守ろうとしたからなのか家を出て行ってしまいました。でも残された母親1人ではどうにもならなかったのでしょう。見えないモノが見え、それらによって邪魔をされ仕事にならない。チセを守ろうとすればする程心は病んでいく。あのような行動に出てしまうのも無理はないでしょうね。チセさえいなければと思っての行動に、我に返り手を離しはしたものの自分を許せず、どちらかがいなくならなければならないのならばと、自分が消えることを決めたのではないでしょうか。この回でようやく自分の中の母親と向き合い前に進むことができました。出会った人や妖精の心に触れ成長したチセなら、母親と同じ道は選ばないはずですし、カルタフィルス(ヨセフ)をも救えるのではないでしょう。