『はれのひ』におもうこと

『はれのひ』におもうこと

振り袖レンタル・販売会社「はれのひ」が巷を騒がせていますね。
突然営業を停止し、成人式を控えていた方々は困りに困ったと思います。福岡の支店は独自の判断で営業したようですが。社長・幹部は連絡もとれず行方もわからないようです。
こうなったらもう終わりですね。諦めるか警察に被害届けを出すかの2択です。後者の場合、詐欺と判断されれば法にのっとって裁かれます。が、お金や振り袖が返還されることはないでしょう。おそらく、経営がうまくいかなくなった時点で計画的倒産を考えていたはずです。
実は自分にも経験があります。そんな会社の1社員だったことがあります。このような会社は、大体こういった経緯を経ていきます。まず、資金が足りなくなるため無謀な営業を始めます。極安な価格を提示したり、無謀な日程を組んだりですね。業種によっては雇う余裕もないのに社員を増やし、何でもありな営業を始めたりと…うちはこれでしたねσ^_^;やがて、理由をつけては給料が遅延したり支払われなくなります。そして、経営者が突然いなくなります…
私の場合、いわゆる金融会社で顧客管理を担当していました。今でこそよく聞く話しですが当時はまだあまり表沙汰になる事件ではありませんでした。
働き始めて3年を越えたあるときから業績が悪いのに営業マンが増え、高配当を提示してまでも現金を集め始めました。業者や顧客に支払う目前のお金を集めていたわけですね。当然払えない顧客も出てくるわけで、上司にはこうこう言って引き延ばしてくれと対応をさせられます。担当者は顔を合わせたくありませんから私のような内勤の者が対応しなければならず、電話越しに怒鳴られたり、自宅に呼ばれたりしました。この時点で会社に来なくなる内勤社員がいましたね…ここで社長は責任を幹部社員と我々一般社員に押し付けてきました。お前らが無謀な営業をしたせいだと開き直ったのです。確かに最後の方はかなり無謀な営業をしたかもしれませんが、元々無謀な営業をさせていたお前が言うなと思いましたね。しかも、会社のお金を使い込んでいましたしね。それから最後の数週間、仕事のやる気も起きるわけもなく、ただかかってくる苦情電話の対応をしていました。そして給料が振り込まれず、翌日社長が消えました。
朝会社に行くと事務管理の部屋には誰も出勤しておらず、ほとんどの書類がシュレッダーにかけられていました。私はあぁ終わったなと思いましたね(-。-;上司が警察に電話しましたがこの時点では受理されず、数日この状態で電話対応だけしました。そして、こちらから顧客数人に働きかけ被害届けを出してもらい警察に受理されました。この日を境に出社は止め、年金・保険の手続きや労働基準局へ出向いたりしました。基本的に社員の給料から先に保全されますが、顧客のことを考えると辞退するしかありませんでした。2ヶ月分の給料と会社に預けていた約500万円は一瞬で消えていきましたね。ただ、500万円のうちの大部分は、ボーナスをそのまま会社に預けた格好で実際手に取っていないせいかショックは感じませんでした。そこから数ヶ月は極貧でしたね…多少の貯金はありましたが、親しい顧客へ自腹をきってお金を返済したため、残り僅かで生活しました。家からはほとんど出ず、毎日袋のインスタントラーメンで過ごしました。そんなとき、かつての勤め先(すでに廃業していた)の経営者から、新しい事業始めたからバイトしないか?と声をかけられ、少しでもお金が必要な状況でしたのでお世話になることにして…現在に至りますw
その間、社長は見つかり詐欺事件として表面化しました。辛かったのは、上司担当の顧客に代わりとして訪問していた自分が訴えられていたということです。もちろん不起訴となりましたがショックでしたね。何度か警察に事情を聞かれましたが、全員グルでやっていたんだろと思われていたようです。私は自分の扱った書類を全て家に持ち帰り保存していたので、それらを提出し他の社員や顧客との証言を照らし合わせて調書をとりました。
いやぁ高価な勉強をしましたね…もぅ会社勤めは懲り懲りだと思ってしまったのが今の状況かもしれません。生活は苦しいですがあのようなストレスはないのでこれはこれでと思うようにしています。
「はれのひ」の社員の皆さんも当時の私と同じ境遇かもしれません。福岡支店の社員さんご苦労様です。その行動を理解して下さる顧客もいますし、後々良かったと思えますからこの先頑張って下さいっm(._.)m

そのときの書類の一部です。この他に提出した押収物の確認書類等ありましたが捨ててしまいましたね。顧客にいただいた励ましの手紙もありますが、こちらはきちんと保管しています。こういった手紙に救われました。